レンドフルール全エンドを回収した感想
レンドフルールをやりつくしたので感想を書こうかと。
ストーリーネタバレ無しでお送りしたいと思います。
購入前に評判はどうなのか先に調べてみて
それなりに辛口な評価が多く見受けられたので
ならば甘々な評価をしてやろう!と思います。
そう思ったのも、それらの評価をみてから身構えてプレイした自分が
「思ってたよりも良い、というか最高じゃん~」と感じたのが
きっかけなんですけどもね。
まあなので、甘口9割辛口1割な感じで書いていきます。
前置きとして、私がレンドフルールをプレイしようと思った理由が
レンドフルール担当のいわたDと絵師の薄葉さんのタッグの前作
ワンドオブフォーチュンが1番のお気に入りの乙女ゲームであるということがあります。
多少の贔屓目ありということ、また時折ワンドとの比較などを出しつつ書いていきますので、ご了承ください。
まず、注目したいのが世界観。
詳しいストーリーは公式サイトを参照してもらいたいのですが、
この作品のテーマとして掲げられているのが
「ゴシックロマンス」
物語の舞台は、かつて女神が作り上げた天上の地「パルテダーム」
パルテダームは不可侵の聖域とされており、
絵、背景、音楽がその幻想的な世界観を作り上げています。
薄葉カゲローさんの絵はとても繊細で、透明感があります。
過去作の印象が強いからか、ファンタジーやゴシックロマンスにとてもマッチした絵柄だと感じます。
もうとにかく美しいの一言。
パルテダームの世界を作り上げるのに欠かせない背景もまた、
とても綺羅びやかで、幻想的・神秘的になっています。
背景が綺麗で何度スクショをしたことか…
そして、音楽もとても素敵に仕上がっています。
主題歌、BGMどれもマッチしていて良いのですが、
私は特に挿入歌「l'
物語の中で使われるタイミングが素晴らしくて鳥肌モノ。
詞はすべてフランス語の曲となっています。
ただ、たまたまとある動画のコメントを読んだら
日常でフランス語を使われる方たちが
「これフランス語?」「多分フランス語だけど、発音が間違っているようだ」
といったような会話をされていました。
(私はフランス語さっぱりなので、フランス語で書かれたコメントを翻訳機にぶちこみました。)
なので、もしかするとフランス語が得意な方からしたら違和感を覚える可能性もあるかもしれませんね。
私のように曲の雰囲気で楽しめる方には良いと思います。
こういった要素が合わさって、ゴシックロマンスの世界観を彩っています。
さて、ストーリーはどうなのかと。
真っ先に言うのは、シリアスです。
もちろん面白可笑しい会話のシーンも所々にありますが、大筋はシリアスです。
そんなの知ってるわ!と言われると思いますが、念押しのようなものです。
大団円はありませんし、奇跡という名の大どんでん返しも存在しない世界です。
公式様の言葉を引用させていただくと、
「ワンドの場合は、何もない平原に町や学校などの舞台を配置して、そこにキャラクターを投げ込んで「さあ好きなように遊んでおいで!」という作り方をしています。なので、ストーリー的にも自由度が非常に高いです。
レンドの場合は、まず平原に壁を作り、天井を作り、釘を滅多打ちにして、どうあっても逃げられない状況を作った上で、そこにキャラを投げ込み、「さあどうやって足掻くのかを見せてくれ」という作り方をしました。」
ということなのです。
この言葉をプレイ後に読んでみると「あぁ、こういうことだったのか」と思いました。
前作のワンドはとても明るく、強く、奇跡を起こして最高のエンディングを迎える
今作のレンドは何を犠牲にし、何を得るのかを選択してエンディングを迎える
という印象を持ちました。
大団円などが好きな方には合わないかもしれないです。
これがストーリーの全体的な雰囲気です。
では、ルート別にはどのような感じなのか。
レンドフルールは、小説や舞台のように物語が
第1部、第2部、第3部といったように分かれています。
2部辺りまではほぼ共通ルートになっており、3部からそれぞれの話に分岐していきます。
そして各キャラルートに分岐する部分が「起承転結」の「転」の部分に当たると思います。
なにせ、些細な事でもネタバレに繋がるかもしれないから情報があんまりだせないキャラだとか、四騎士攻略し終わってからでないと攻略できない制約たっぷりなキャラだとかがいるわけですから、
どのキャラも「そうだったの!?」「なるほど!」となるようなお話になっています。
そして、伏線も様々な箇所に散りばめられているのがわかります。
OPではそれぞれの物語を一単語で表現していて
PVのほうでもそれぞれの物語を一言で表現しているのですが
その言葉がまたなんとも良いんですよね。
こちらもプレイ後にみて、なるほどね~となりました。
Youtubeに公式からアップされているのでぜひ見ていただければと。
私は公式様が推奨している攻略順(レオン→ギスラン→オルフェ→ルイ→ユベール)でプレイしましたが
私もこの順番をおすすめします。
レオン~ユベールまでを1つの物語のように感じることができたからです。
ルートによっては、別ルートのネタバレとまでは行かない謎が含まれていたりするので
「○○どうしたの!?気になるじゃん!!?」となり、
後で攻略していて
「そういうことだったのか~~!」となるので
物語が繋がっている部分があるように感じられたのだと思います。
このように、先の分からないドキドキ感がありました。
ただED数が多いので、自力の方はそれなりに時間がかかるのではないかと思います。(そのためのお助けアイテムもありますが)
私は基本的にスムーズかつ一番いいエンドは最後に見たいので攻略サイト様を頼り、BADエンド→忠誠エンド→愛情エンドの順でやりました。
そして、このゲーム特有の機能として「ラヴィール」というものがあります。
これは何なのか公式様の言葉をお借りして簡単に説明すると
「周囲の人物から情報を聞き出し、時間制限付きの選択肢やコマンド入力を通じて、彼らを説き伏せて勝利を目指す」
というものだそうです。
まるで探偵だなと私は思います(笑)
レンドでは普通の乙女ゲームに出てくる選択肢を排除し、
このラヴィールという機能を実装しているわけです。
普通の選択肢は、好感度が上がるか上がらないかなのに対し
ラヴィールは勝つことだけが正しいのではなく、
答えを出さないこと、敗北することにも意味があり
それによってエンディングが変わってきます。
このため、ラヴィールの行われるほど選択が変わっていき
EDの数を増やすことになったのではないかと思います。
この機能は賛否両論だったようですが、
私は良い機能だったと感じています。
一つ一つの会話に重みがでて、思考するのは楽しかったです。
また、これはプレイされた方にしか分からないと思いますが
幕間のような場面でのラヴィールの演出がとても良かったです。
面倒だと思われる方もいるかと思いますが、
ワンドでたくさん作業ゲーをさせられた身からしたら苦ではなかったですね(笑)
ただ、ラヴィール開始時と終了時の音楽はなくても良かったかなと個人的には感じました。
最後に語っておきたいのが、主人公というキャラクターについてです。
こちらはワンドをプレイしたことがある方向けのお話なので飛ばしていただいても大丈夫です。
主人公ヴィオレットは、天上の地の「お姫様」という立場の女の子で、
聡明で落ち着きがあるという風に公式サイトに記載されています。
そう、ワンドの主人公ルルとは正反対のような女の子です。
聡明で落ち着いてるって少しとっつきにくいように感じますよね。
けれど、プレイしてみてそんなにかけ離れているように感じませんでした。
多分それは、ある共通点があったからではないのかなと思います。
その共通点というのが、口調です。
いわたさんのところの子って、口調がそれなりに統一されているように感じます。
次回作のバリアブルバリケードの主人公も同じような口調でした。
「~だと思うの」「~でしょう?」「~じゃない」「~よね」「~だもの」といったような、
可愛らしくて丁寧なしゃべり方をするんですよね。
それがなんだかスッとヴィオレットを受け入れられた一因な気がします。
まあ、結局の話、同じ方が作られたキャラクターですからね
可愛いから安心しろ!ということです。
魅力的な他のキャラクターについてもお話したいところですが
これはもう人によりけりだとおもうので割愛。
声優さんの演技もとても素敵でした。
あと、これはとてもおすすめしたいことなのですが、
レンドフルールの発売元オトメイトさんは、各ゲーム発売前頃から、
携わったスタッフさんが書かれているスタッフブログがあるので
ぜひそちらを購入前だったり、プレイ後に読むことを強くおすすめしたいです。
作品の特徴だったり、裏話だったりが書かれていて作品への理解と愛が深まると思います!
感想という名のべた褒めをしてきましたが
しっかり伝わっているか心配です…
もう4年も前のゲームですが
新しい乙女ゲームを探している人などが興味を持ってくれたら
うれしいなと思います。
また今度ネタバレ全開の感想も書くかもしれません。